会長挨拶
胃外科・術後障害研究会 会長就任にあたって
このたび、伝統ある胃外科・術後障害研究会の会長を仰せつかりました深川剛生でございます。歴史と実績を誇る本研究会の舵取りを担うこととなり、その重責に身の引き締まる思いでございます。甚だ微力ではございますが、本研究会のさらなる発展と胃外科医療の質の向上を目指し、全力で取り組んでまいる所存です。
本研究会は結成以来、胃切除術後に生じる様々な術後障害の解明、再建法の改善、そして患者様のQOL(生活の質)向上を目指し、先達の熱意とたゆまぬご努力によって発展を遂げてまいりました。長年にわたり多施設による真摯な議論や臨床研究が重ねられ、機能温存手術の確立やPGSASをはじめとする客観的評価手法の普及など、我が国の胃外科医療において極めて重要な役割を果たしてこられました。歴代会長をはじめ、役員・会員の皆様の多大なご貢献に対し、心より深い敬意と感謝を申し上げます。
近年、胃外科領域における技術革新は目覚ましく、腹腔鏡下手術に加えロボット支援手術が広く定着し、より精密で低侵襲な手術が可能となりました。しかしながら、切除範囲や解剖学的再建の選択、神経温存の精度向上などが進む一方で、小胃症状やダンピング症候群、逆流性食道炎、長期的な栄養障害といった術後障害を完全に消失させるには至っていません。高い根治性を追求しつつ、いかに術後障害を最小限に抑え、患者様が質の高い日常を取り戻せるかという課題は、時代を超えて胃外科医が直面し続ける命題であります。
また、超高齢社会を迎えた今日においては、術前のフレイルやサルコペニアへの対応、術後の長期的な栄養管理・リハビリテーションの重要性が増しています。これらを解決するためには、外科医の技術研鑽にとどまらず、看護師、管理栄養士、薬剤師など多職種が連携したチーム医療の視点が不可欠です。
患者様一人ひとりが手術を経て笑顔で健やかな社会生活へ戻れる未来を目指し、会員の皆様と手を携えて一歩一歩着実に歩みを進めてまいりたいと存じます。皆様におかれましては、今後とも変わらぬご指導、ご鞭撻とご支援を賜りますよう、切にお願い申し上げます。
胃外科・術後障害研究会
会長 深川 剛生
